BOATRACE 住之江

　住之江のスタンドは水面の真西に建っている。しかも、スタンドは巨大。夏場は西南西からの風が多いので、この大きなスタンドが『風よけ』になって水面への影響はほとんど見られない。ただ、風が強い時はスタンドの切れ目から水面に吹き込むことがあるので、1マークと2マーク付近が少しざわつくこともある。ところが、日が暮れて照明が灯る時間帯になると風が穏やかになり、水面上は『無風』に近いコンディションに恵まれる。また、昼間に少し風が強くても夜になるとピタッと止むことが多い。問題があるとすれば昼と夜の気温の上下差だろう。夜は日が暮れている分、気温が下がりスピードは早くなるからだ。

　 「ここ（住之江）は他場とペラ調整が全然違う。特にナイターは余計に難しい」と遠征して来た選手のほとんどが戸惑いを隠せない。これはG1クラスの面々も口にする。2年ぐらい前までは王者・松井繁も「全国24場で住之江が一番難しい」とよく話していた。2006年からナイターG1になった高松宮記念で優勝したのは太田和美→三嶌誠司→田中信一郎→太田和美→石田政吾→田中信一郎→峰竜太→湯川浩司→山崎智也→田中信一郎で10回中6回が地元勢Vで残る4人も住之江を得意としている面々だ。昨年まで昼開催の太閤賞も最近10回でG1初Vは2006年の井口佳典と2010年の坂口周だけ。実績組の強さが際立っている。