今年は2月の近畿地区選手権Vなどで前半好調だった田中信一郎が、予想外のシリーズ戦回り。夏場のスランプが痛かった。そんな06年を締めくくる舞台が「減音モーターは得意じゃないけど住之江だけは別です」というホームプールでの賞金王シリーズ戦。決定戦に出ていると獲れないタイトルだけに、ここは来年に弾みをつけるためにも優勝を狙うだろう。


 11月・江戸川MB大賞でのフライングがマイナス材料だが、湯川浩司も住之江では無類の強さを見せる。松井繁ら「目の上のコブ」不在でSG初Vのチャンス。結果として総理杯キップも付いてくるわけで、Fハンデを上回るモチベーションになりそうだ。


 秋口に調子を上げ、決定戦出場モードに入っていた原田幸哉はダービー、競艇王で不発に終わり、12位とは約600万円差の17位。昨年に続いて決定戦出場を逃したことで奮起しているだろう。今回の原田は、地元の師弟コンビ(田中&湯川)にとって最大の敵になるか。


 2年続けて決定戦出場を逃した植木通彦は、逆に言えばSG全冠制覇へ一歩前進するチャンスだ。「今年はSGでいいところがなかった」と言っていたが、競艇王の優出(3着)で表情は明るくなっている。艇王がV争いに加われば、シリーズは間違いなく盛り上がるはずなので期待したい。


 最後の最後に賞金争いに敗れて13位に終わった菊地孝平は、悔しさをぶつけるのはもちろん、総理杯キップ取りもかかっている。賞金ランク上位組では他に西島義則、吉川元浩も総理杯キップを持っていない。シリーズ戦V2の実績を持つ太田和美、住之江での活躍が目立つ深川真二はFハンデを抱えているので過大評価は控えたい。